医療法人社団晴山会 おしきり眼科

おしきり眼科は武蔵村山市にある眼科(予約優先制)です。

TEL.042-562-6688

〒208-0011 東京都武蔵村山市学園3-50-1

01日

小学生の裸眼視力について

明日も雪になりそうですが、越後湯沢に日帰りスキーに行く予定です。2週続けてキャンセルしましたので、今回は気合を入れて行って来ます。

ところで、雪が続いて時間があったので日本眼科学会雑誌をゆっくり読めました。その中で、面白い論文がありましたので紹介します。

政府統計による小学生の裸眼視力不良の増加傾向と関係因子について検討した研究です。1979年~2012年の小学生の裸眼視力0.7未満について検討しています。

その結果は、視力不良者の増加は単純ではなく、一時期減少傾向を示し、その時期に身長の伸びも止まっていた。視力不良は日照時間と負の関係を示し、身長とは単回帰でのみ正の関係を認めた。学習時間とテレビゲーム時間は視力不良と有意の関係は認められなかった。結論として、小学生の裸眼視力不良をその大部分を占める近視によるものとみなすと、近視の発症は光環境の影響を受けると考えられるとしています。

学校保健統計調査における統計データーを用い、小学校全学年の裸眼視力0.7未満の者の割合を調べ、同時期の小学6年生の男女平均身長の経年推移や全国学力テストから学習時間、テレビゲーム時間、睡眠時間の調査結果、気象庁ホームページから県庁所在地の年間日照時間の観測値を入手しています。

小学生の裸眼視力不良者割合の経年推移は増加傾向を示していたが、1995年頃以後の一時期その増加は止まり、年度によっては逆に減少していた。2004年以後は再び増加傾向にあった。身長の経年推移も同様に1995年ころまで伸びる傾向にあり、それ以後は伸びが止まっていた。一方、日照時間が長い県ほど視力不良者が少ない負の関係が認められた。学習時間、テレビゲーム時間、睡眠時間は一時期を除くと視力不良者と有意の関係を認めていませんでした。

考察では、テレビゲームが近年の視力不良傾向の主な原因とは考えにくい。1995年頃からの視力不良傾向の頭打ちは、ほぼ同時期に導入された「ゆとり教育」による学習時間減少と関連付ける見方も可能と思われる。個人の野外活動時間と環境の日照時間はどちらも昼間の光が近視進行に抑制的に働くことを示している。夜間の光は逆に促進的に影響するのではないか。昔に比べて夜間が明るくなってきているのは事実であり、光環境の変化は近視化傾向の原因の候補と考えることができる。今後、慨日リズムを変調させる夜間光環境等の因子と共に、睡眠と屈折異常との関係についての検討が望まれるとしています。さらには、光環境の経年差も乳児期から影響するはずなので、近視化傾向が乳幼児期から始まっていることが確認できれば、原因解明につながるのではないかと述べています。

以上、身長や光環境、特に夜間の光環境と近視進行との関連に着目した所が気になりました。

(参考文献:枩田享二、横山連:政府統計による小学生の視力不良の経年推移と関係因子の解析、日眼会誌118:104-110、2014.)