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アイフレイルをご存知ですか?

--武蔵村山市報令和5年8月1日号の「市民の健康」に院長が担当して掲載したものです。

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 加齢とともに心身が弱る状態を「フレイル」といいますが、目にも「アイフレイル」があります。
 加齢による目の脆弱化に外的・内的要因が加わって視機能が低下した状態またはそのリスクが高い状態と定義されます。
 特定の病気を指すのではなく、多くの場合は乱視などの屈折異常や老眼が原因ですが、中にはドライアイや白内障、緑内障、黄斑変性などの病気の場合もあります。
 アイフレイルの自己チェック項目は、1.目が疲れやすくなった 2.夕方になると見にくくなることがある 3.新聞や本を長時間見ることが少なくなった 4.食事の時にテーブルを汚すことがある 5.眼鏡をかけても良く見えないと感じることが多くなった 6.まぶしく感じやすい 7.瞬きをしないとはっきり見えないことがある 8.まっすぐの線が波打って見えることがある 9.段差や階段で危ないと感じたことがある 10.信号や道路標識を見落としたことがある。このうち2つ以上当てはまったらアイフレイルかもしれません。
 この場合は、眼科でのアイフレイルのチェックをお勧めします。
 対策の目的は、視覚障害によって日常生活が制限される人を減らす。視機能障害によるフレイルへの悪循環を断ち切ることで、要介護状態に至る人を減らして健康寿命の延伸に寄与する。
 そして、一生涯にわたり読書、運転、スポーツ、趣味などの人生の楽しみ、快適な日常生活を維持することです。 40歳を過ぎたら目の点検の一つとして、アイフレイルの自己チェックをしてみてはいかがでしょうか。


 詳しくは日本眼科医会のホームページをご覧ください。 https://www.eye-frail.jp/

2023年08月06日

IT眼症とのお付き合い

 IT眼症とは、嘗てのVDT症候群やテクノストレス症候群の中の様々な目の症状です。
 主な症状は、疲労による目の痛み、一時的な調節力の低下による見え方の低下と眼不快感、瞬きの回数の低下によるドライアイとそれに伴う見にくさなどがあります。
 対策としては、目薬に頼らずに目に優しい環境づくりが大切です。
 オフィス周りの環境づくりでは、エアコンなどの風が当たらないようにして、湿度を保つことです。
 デスク周りの環境づくりでは、ディスプレイの位置を正面よりやや下向きで目から50~60cm離れた位置に設置する、照度を上げ過ぎないこと(500ルックス以下が推奨)です。
 目の周りの環境づくりでは、眼鏡やコンタクトレンズのチェック、場合によっては中近または近々眼鏡の使用の検討、コンタクトレンズはドライアイを誘発しやすいので就業中は眼鏡を使用が良い場合もあります。
 就業中の注意点は、VDT作業時は瞬きが減りやすいので、意識的に瞬きをするように心掛けましょう。
 休憩については、厚労省のガイドラインでは1時間に1回、10分の休憩を推奨しています。そして、休憩中はスマホを使わず、遠くをボーっと眺めたり、目をつむって休むことも良いです。

参考文献:山田昌和.IT眼症とのおつきあい.日本の眼科2024;95:1445

2025年01月06日